ミカン(蜜柑)

 

 【ミカン科 ミカン属】

 

 

 私達が一般に呼んでいる「みかん」とは、実は柑橘(かんきつ)類の総称です。
      みかんと言えばかんきつ一般を表すほど日本人にはなじみの深い言葉だからです。
      かんきつの原産地は、インド東部から中国の揚子江の流域とされています。
      みかんのルーツは中国らしいです。この中国から渡ってきた柑きつ類の中から、突然変異してできたのが温州みかんだと考えられています
      天正2年(1574)に今の和歌山県有田市糸我で庄屋をしていた伊藤孫右衛門が、熊本県八代からミカンの苗を2株、苦労の末持ち帰りました。
      そのうち、一株が成長し、これに接ぎ木をして品種改良を行い、天下の紀州みかんに育て上げました。
      寛永11年(1634)に藤兵衛という人物が、江戸に大量のみかんを送っています。
      明暦(1655~1658)ごろ紀州ミカンを満載した千石船が嵐をついて今の和歌山県海南市下津町の下津港から江戸へむけて船出をした人がいます。
      沖の暗いのに白帆が見える、あれは紀の国ミカン船
      ミカンの需要が増える江戸の「ふいご祭」を目指して、白装束姿に、死を覚悟して乗り込みました。
      ミカンを無事に送り届け、大儲けし、そのお金で江戸八丁堀で材木問屋を営み幕府御用達商人となり、元禄時代(1688年~1703年)の豪商ともいわれたすばらしい商人がいました。
      それが、紀伊国屋文左衛門です。
      江戸時代には、ミカンは紀州(和歌山県)の代名詞となり、他の追随を許さないのが紀州のミカンでありました。

 みかんには、体にいい栄養素がいっぱい含まれています。代表的なのは、ビタミンCです。
     調理で損失しやすいビタミンCは、生でそのまま食べられるみかんで摂るのが一番効率的です。