トマトのふるさと南米のアンデス山脈は、きわめて雨の少ない地域で、これを反映してかトマトは雨が多いことをきらいます。
寒い時期は温室やハウスの中でつくられていますが、最近では夏のトマトもビニールなどで雨よけをしてつくられることが多くなっています。
今ではトマトの生産の3分の2がビニールハウスなどで行われています。
16世紀にトマトがヨーロッパに伝わって以来、現在までに世界各地でさまざまな品種がつくられました。
栄養的にも実り豊かな野菜として広く料理に用いられ、世界でもっとも愛されている野菜です。
フランスでの愛称も”愛のりんご”。イタリアでは”黄金のりんご”ともよばれます。
トマトが赤いのはリコぺンという色素があるから。昼と夜の寒暖の差が大きいほど、赤色の鮮やかさが増します。
ヨーロッパには「トマトの時期にはへたな料理はない」ということわざがあります。
食物の味をおいしくする要素の一つが、グルタミン酸というアミノ酸です。トマトにはほかの野菜にみられないほど多く含まれ、真っ赤に熟したものにはもっとも多く含まれています。
完熟トマトを二、三個加えてシチューを煮ると、味にこくが出ておいしくできます。
★トマトの品種には赤色系、桃色系などがあります。皮が黄色く厚くて丈夫なのが赤色系、薄くて無色透明なのが桃色系。
ひと皮むけば果肉の色は同じです。
赤色系は世界のほとんどの国でたべられていますが、日本ではジュースやケチャップなどの加工用に栽培されています。
日本に初めて紹介されたトマトが、酸味と香りの強い赤色系のものであったためか、あまり好まれなかったのです。
その後に入ってきたのが桃色系。トマト臭が弱く甘みもあったので、広く受け入れられ、今では桃色系が圧倒的。
最近は熟してもしっかり実が締まり、流通段階でもくずれない完熟型トマトとして開発された”桃太郎”が大ヒットです。
また、完熟ミニトマトも人気が出て、トマトは果物のようにデザート感覚で食べられるようになりました。