イネ(稲)は、日本では最も重要なイネ科の1年生作物で、日本人の主食である。
イネは、紀元前数千年には、すでにインド、中国等で栽培されていたという。
イネの品種は非常に多く、外米と呼ばれる米粒が大型で細長く砕けやすい「インド形」と丸く砕けにくて粘りのある「日本型」に大別され、おのおのに「うるち」と「もち」がある。
水の要求量により「水稲」と「陸稲」とがある。また、「早生種」と「晩生種」がある。
現在日本では、水稲日本型うるち米が全収穫量のほとんどを占めている。
イネは風媒花であり、風によって花粉が媒介される仲間であるが、現実は自家受粉であり、開花と同時に自らの花粉で受粉する。
したがって、近隣に異なる品種を栽培してもほとんど交雑することはない。このためにモチ米とウルチ米を隣り合わせて栽培できるわけである。
もしも花粉が遠くまで飛ぶのならば、同じ水田に稔る米が様々な性質を持っており、均質な種モミをえることもできないことになる。このような自家受粉の性質であるため、次年度の種モミを自家生産できる。