和歌山市内東部,紀ノ川南岸に広がる和佐地区にあり、県道9号線(岩出海南線)沿いで、和歌山市禰宜316番地に所在します。この地区の大庄屋中筋家(住宅は重要文化財)から安政年間に分家した家です。
主屋は大規模な木造平屋建、桟瓦葺の建物です。せいの高い差鴨居、桜材の座敷縁などふんだんに良材を用いて高度な技能でつくられた建物です。建築面積は205㎡です。
離れ座敷及び東蔵は,県道から入る道の北面に木造平屋建、瓦葺、建築面積62㎡で立っています。<。
西側に6畳間を2室とり、東を什器蔵としています。広大な屋敷構えの主要な構成要素として貴重なものです。
西蔵は、離れ座敷及び東蔵の西に隣接して、県道から入った道に北面して建っています。切妻造、木造平屋建、平入で置屋根形式の土蔵で、道具蔵として使用されています。建築面積は30㎡です。
簡略な土蔵ですが、腰板を張る外観は、離れ座敷及び東蔵と一連の意匠で、景観に配慮したつくりとなっています。
長屋門は、屋敷地の東側に県道に面して建つ木造平屋建、桟瓦葺の長屋門で、北に屋根を低くした貯蔵庫が附属します。道路側からみると長屋門と貯蔵庫が大壁造・腰下見板張りの一連の意匠となっています。建築面積は50㎡で和佐地区で有数の規模を誇る屋敷構えにふさわしい姿をみせています。
便益棟は、長屋門の北に建つ切妻造、木造平屋建、桟瓦葺の建物で、長屋門に附属する貯蔵庫との間に勝手口を設けています。
内部は便所・風呂場・物置等からなっています。外観の意匠を長屋門・同貯蔵庫と合わせ、屋根を貯蔵庫よりわずかに低くして景観上効果的な役割を果たしています。建築面積は11㎡です。
平成10年12月11日 文化財登録原簿記載
平成10年12月25日 官報告示